第91回箱根駅伝で初優勝した青山学院大学陸上競技部の原晋監督(47)は、中京大卒業後、中国電力に陸上部1期生で入社。27歳で引退後は社業に専念し10年間のサラリーマン生活を経験しました。
中国電力の営業マン時代に、目標にどう取り組むのかを鍛えられたことが、陸上部での指導に活かされているそうです。監督就任時に「3~4年で箱根出場、7~8年でシード権、10年で優勝争い」と大学側に説明したそうで、およそビジョン通りに11年目にして出場すら出来なかったチームを優勝に導きました。
原晋監督インタビュー(2015/2/5 日本経済新聞)より
ビジネスマン時代の習慣だった「目標管理シート」をチームに取り入れました。A4用紙に1年間の目標と1カ月ごとの目標、その下に個人の具体的な目標を書き込む。これを6人のグループミーティングで進捗状況など随時、チェックします。大事なのは自分で目標を決め、自分の言葉で具体的に書き込ませることです。これが選手の「自立」につながるのです。
自分は体幹が弱いので、この練習を何回繰り返すといった具体的な数字を書かせます。もう少し速く走る、といった抽象的な目標はダメ、実現がほぼ不可能な目標設定もいけません。私は「半歩先」が口癖です。一歩一歩とよく言いますが、それより少し手前のイメージ。今できることの半歩先を見つめながら、少しずつ向上していくだけでも4年間でものすごい成長につながるのです。
チーム全体の大きなビジョンを持つことと、チーム各員が半歩先の具体的な目標を立てる事は、あらゆる組織において、成長を促す有効な方法だと思います。(マエダ)