人類初の南極点到達を競った二人、アムンセン(ノルウェー)とスコット(イギリス)。
この二人が対照的な結果に終わったことはよく知られています。
アムンセンはチームワークを重視し、スコットは上意下達型の組織で進めました。
特に、大きく異なったのは「準備」です。アムンセンは移動手段として犬ぞりのみを使いましたが、3回の遠征を行い、その間に衣類やテントなどの改良を行いました。一方、スコットは過去に犬ぞりで失敗していたので、動力そりなどの3種類の移動手段を準備しましたが、遠征訓練は1回にとどまりました。
帰りの物資の目印についても置き場所の1ヶ所にのみ目印を置くスコットに対し、アムンセンはたくさん旗を立てることで絶対に物資に到着できるようにしました。
このような徹底した準備の差が初の南極点到達と生死を分けることになったのです。
もちろん、スコットも準備はしましたが、想定する最悪の事態が甘かったり、ずれていたりしていたのです。
当時の南極探検と同様に不透明な先行きの中で進んでいかなければならない現代ビジネスの経営や営業においても、いかに徹底的な準備をし、最悪の事態を想定するか、が重要になっていると思います。
何が起こるか、何を求められているか、どれだけの資金が必要になるか。しっかりと起こりうる事態を想定する「想像力」と周到な準備を行う「準備力」が今、求められています。(ウメバヤシ)